栄養コンシェルジュ新着情報:【2026年土用の丑の日】うなぎは夏バテに本当に良い?栄養・カロリー・ダイエットとの関係を管理栄養士が解説

2026年7月26日

毎年、土用の丑の日が近づくと、スーパーや百貨店にうなぎの蒲焼きが並びます。



「夏バテにはうなぎが良い」

「うなぎを食べるとスタミナがつく」



このような言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。



では、なぜうなぎが夏の食べ物として選ばれているのでしょうか。うなぎを一度食べれば、夏バテを予防できるのでしょうか。脂質やカロリーが気になるダイエット中でも、食べて問題はないのでしょうか。



2026年7月26日の土用の丑の日をきっかけに、うなぎの栄養的な特徴と、食品を目的に合わせて選ぶ考え方を、科学的根拠に基づいて解説します。



まずはチェック|うなぎについて、どこまで知っていますか?



次の質問に、迷わず答えられるでしょうか。



「うなぎには、どのような栄養素が含まれているのか」

「ビタミンB1を摂れば、疲労は解消するのか」

「ダイエット中にうな重を食べてもよいのか」

「うなぎと梅干しの食べ合わせは、本当に悪いのか」



健康や栄養に関する情報は、インターネットやSNSで簡単に見つけられるようになりました。一方で、「栄養がある」「身体に良い」「太りやすい」といった短い言葉だけが独り歩きし、食品本来の特徴や利用方法が十分に伝わっていないこともあります。



大切なのは、うなぎを食べるべきか、避けるべきかを一律に決めることではありません。何が含まれ、どのような人に、どの程度必要なのかを考えることです。



2026年夏の土用の丑の日は7月26日



2026年夏の土用の丑の日は、7月26日です。



土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前に設けられる期間を指します。その期間中に、十二支で日を数えた「丑の日」が巡ってくる日を、土用の丑の日と呼びます。



土用は夏だけではなく年に4回ありますが、現在では、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が広く知られています。



その由来には、「う」のつく食べ物を食べて暑い季節を乗り切る風習や、江戸時代に平賀源内がうなぎ店の販売促進に関わったとする説などがあります。ただし、起源を一つの人物や出来事に断定できる十分な一次資料は確認されていません。



土用の丑の日は、単なる「うなぎを食べる日」ではなく、季節の変わり目に食生活や体調を見直す日本の文化として捉えることができます。



「栄養がある」と聞くと、たくさん食べた方が良いと思ってしまう



うなぎは、栄養価の高い食品として紹介されることが少なくありません。



一方で、カロリーや脂質が多いことを理由に、「ダイエット中は避けた方がよい」と考える人もいます。



同じ食品について、「積極的に食べるべき」と「控えるべき」という正反対の情報が生まれるのは、食品の一部分だけを切り取って評価しているためです。



栄養素を多く含むことと、誰にとっても、どれだけ食べてもよいことは同じではありません。また、脂質やエネルギーを多く含むことと、健康に悪い食品であることも同じではありません。



うなぎの本当の価値を理解するには、まず具体的な食品成分を確認する必要があります。



うなぎの蒲焼きに含まれる栄養成分



文部科学省の日本食品標準成分表によると、うなぎの蒲焼き100g当たりには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれています。



さらに、ビタミンAは1,500μgRAE、ビタミンB1は0.75mg、ビタミンB2は0.74mg、ビタミンDは19.0μgです。カルシウム150mg、亜鉛2.7mgなども含まれています。



うなぎは、主菜としてたんぱく質を補えるだけでなく、複数のビタミンやミネラルを摂取できる食品です。特に、ビタミンAやビタミンDを多く含むことが特徴です。



ただし、これらは可食部100g当たりの標準的な数値です。実際の摂取量は、うなぎの大きさ、産地、調理方法、たれの量などによって異なります。



また、蒲焼き100gには食塩相当量1.3gが含まれます。うな重やうな丼として食べる場合は、たれ、汁物、漬物などを含めた一食全体で考えることが大切です。



うなぎを食べるだけで夏バテを防げるわけではない



うなぎには、エネルギー、たんぱく質、脂質、ビタミンB1などが含まれています。暑さで食事量が減少している人にとっては、比較的少ない量からエネルギーや複数の栄養素を摂取できる食品の一つです。



しかし、うなぎを一度食べるだけで夏バテを予防できるとはいえません。



一般に「夏バテ」と呼ばれる不調には、食欲の低下だけでなく、暑熱環境、水分不足、睡眠不足、生活リズムの乱れ、長時間の発汗などが複合的に関係します。



ビタミンB1が糖質のエネルギー代謝に関わることは事実ですが、ビタミンB1を摂取しただけで疲労が直ちに解消するわけではありません。エネルギーそのものが不足していたり、水分や睡眠が足りていなかったりすれば、うなぎだけで問題を解決することはできません。



夏の体調管理では、食事を欠かさず、水分をこまめに補い、睡眠と休養を確保し、暑い環境で無理をしないことが基本です。



うなぎは「夏バテを治す特効食」ではなく、日々の体調管理を支える食品の一つとして位置づけるのが適切です。



うな丼やうな重だけで、栄養バランスは整う?



うな丼やうな重では、ごはんから糖質を、うなぎからたんぱく質や脂質を摂取できます。うなぎに含まれるビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与するため、ごはんとうなぎの組み合わせには栄養学的な合理性があります。



一方で、うなぎの蒲焼きは、食物繊維やビタミンCの主な供給源にはなりません。うな丼だけですべての食品や栄養素を十分に補うことは難しいため、野菜、海藻、きのこなどを使った副菜を組み合わせると、食事全体を整えやすくなります。



ただし、一食ですべてを完璧にそろえる必要はありません。



昼食にうな重を楽しんだのであれば、朝食や夕食で野菜料理や果物を取り入れるなど、一日全体で調整する方法もあります。



栄養バランスは、一つの料理だけを採点するのではなく、前後の食事や日頃の食習慣を含めて評価することが重要です。



ダイエット中でも、うなぎを食べてよい?



ダイエット中でも、うなぎを食べることはできます。



うなぎの蒲焼きは100g当たり285kcal、脂質21.0gであり、比較的エネルギーと脂質を多く含む食品です。しかし、この数値だけを理由に食事から除外する必要はありません。



体重管理に影響するのは、うなぎ一品のカロリーだけではなく、一定期間における摂取エネルギーと消費エネルギーの関係です。



減量を目的とする場合は、うなぎを禁止するのではなく、ごはんを自分に必要な量に調整し、追加のたれを控え、前後の食事を含めて一日の摂取量を考える方法があります。



反対に、運動量の多い人、身体を大きくしたい人、暑さで食事量が低下している人にとっては、エネルギーを確保しやすいことが利点になる場合もあります。



同じうな重でも、食べる人の身体、目的、活動量によって意味が変わるのです。



うなぎと梅干しの食べ合わせは、本当に悪い?



「うなぎと梅干しを一緒に食べると身体に悪い」という言い伝えがあります。



しかし、両者を組み合わせることで健康被害が生じるという、確立された医学的根拠は確認されていません。農林水産省も、うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いとする説に、医学的根拠はないと説明しています。



由来については、梅干しの酸味で食欲が増し、高価なうなぎを食べすぎないようにするための戒めだったという説などがあります。ただし、これらの説を裏づける十分な一次資料はなく、一つの由来に断定することはできません。



昔から伝わる食文化には、当時の生活や価値観を知る意味があります。一方、健康への影響を判断するときは、伝承と科学的根拠を分けて考える必要があります。



食品を「良い・悪い」で分けると、栄養学は見えなくなる



うなぎには、たんぱく質や複数のビタミンが含まれています。同時に、脂質やエネルギーも比較的多く含まれています。



これを「栄養が豊富だから良い食品」と評価することも、「高カロリーだから悪い食品」と評価することもできます。しかし、どちらも食品の一面だけを見た判断です。



栄養学では、食品の成分だけでなく、誰が、何のために、どのくらい食べるのかを考えます。



運動量の多いアスリート、減量中の人、成長期の子ども、食欲が落ちている高齢者では、必要なエネルギー量も、適切な食品量も異なります。さらに、消化機能、既往歴、生活時間、食習慣によっても提案は変わります。



食品を単純に禁止したり、反対に万能食として勧めたりするのではなく、その特徴を理解して目的に合わせて活用することが、実践的な栄養学です。



結論|うなぎは夏の体調管理を支える食品の一つ



2026年夏の土用の丑の日は7月26日です。



うなぎの蒲焼き100gには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンDなども摂取できます。



ただし、うなぎを一度食べるだけで夏バテを予防できるとはいえません。夏の体調管理には、日頃の食事、水分補給、睡眠、休養、暑さへの対策を組み合わせる必要があります。



ダイエット中も一律に避ける必要はなく、うなぎ、ごはん、たれの量や前後の食事を目的に応じて調整できます。



食品を「良い・悪い」で判断せず、人の身体や目的に合わせて活用することが、栄養学の基本です。



栄養情報を「知識」で終わらせないために



うなぎのカロリーや栄養成分は、インターネットで検索すればすぐに確認できます。



しかし、数字を知ることと、その情報を人に合わせて使えることは同じではありません。



減量中の人には、うなぎやごはんの量をどのように提案するのか。運動量の多い人には、どのタイミングで、どのような食品と組み合わせるのか。食欲が低下している人には、脂質やエネルギーの多さをどのように評価するのか。



同じ食品を前にしても、対象者によって答えは変わります。



栄養コンシェルジュ®では、食品や栄養素の名称を暗記するだけではなく、消化吸収、代謝、身体組成、生活習慣、運動などを関連づけ、一人ひとりに合わせて栄養を提案する力を学びます。



また、独自の食品カテゴリーマップ®を活用し、数多くの食品を主な成分や役割から7つのカテゴリーに整理します。食品を「健康に良い」「太るから悪い」と決めつけるのではなく、目的に応じた選び方を分かりやすく伝えるための実践的なツールです。



AIや検索サービスによって、栄養情報はこれまで以上に簡単に手に入るようになりました。だからこそ、これから必要とされるのは、情報を集める人ではなく、根拠を確認し、目の前の人に適した形で活用できる人です。



自分や家族の健康に栄養学を活かしたい方。スポーツ、ボディメイク、保育、教育、介護、医療などの現場で、より根拠のある支援を行いたい方。



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参考文献・公的資料



文部科学省.日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.魚介類/うなぎ/かば焼.食品成分データベース.



農林水産省.aff 2016年7月号.特集2「鰻」.



厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2025年版).2024.



厚生労働省.健康のため水を飲もう講座.



環境省.熱中症環境保健マニュアル2022.2022.



※食品成分値は可食部100g当たりです。実際の含有量は、個体、養殖条件、調理方法、商品の重量、たれの使用量などによって異なります。



FAQ|土用の丑の日・うなぎの栄養



Q1.2026年夏の土用の丑の日はいつですか?



2026年夏の土用の丑の日は7月26日(日)です。



土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間を指し、その期間中に十二支の「丑」が巡る日を土用の丑の日と呼びます。現在では夏にうなぎを食べる習慣として定着していますが、本来は季節の変わり目に体調を整えるという日本の食文化の一つです。



Q2.うなぎの蒲焼きには、どのような栄養素が含まれていますか?



うなぎは、たんぱく質と脂質に加え、ビタミンA・B1・B2・Dなどを豊富に含む栄養価の高い食品です。



日本食品標準成分表では、蒲焼き100g当たりエネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gとされています。さらにカルシウムや亜鉛なども含まれますが、食物繊維やビタミンCは少ないため、副菜と組み合わせて食べることが理想的です。



Q3.うなぎを食べれば夏バテを予防できますか?



うなぎだけで夏バテを予防できるとはいえません。



うなぎはエネルギーやたんぱく質、ビタミンB1などを補給できる食品ですが、夏バテには食欲低下、水分不足、睡眠不足、暑熱環境など様々な要因が関係します。うなぎを特効食として考えるのではなく、日頃の食事、水分補給、休養を含めた生活習慣全体を整えることが大切です。



Q4.ダイエット中でも、うな丼やうな重を食べてもよいですか?



ダイエット中でも、うなぎを食べることはできます。



重要なのは食品を禁止することではなく、食べる量や組み合わせを調整することです。ごはんの量やたれの使用量を工夫し、前後の食事も含めて一日の摂取エネルギーを考えることで、減量中でも無理なく取り入れることができます。



Q5.うなぎと梅干しは、一緒に食べない方がよいのでしょうか?



うなぎと梅干しの組み合わせが健康に悪いという医学的根拠は確認されていません。



農林水産省も、食べ合わせが悪いという説に医学的根拠はないと説明しています。昔からの言い伝えには文化的な背景がありますが、健康への影響は科学的根拠に基づいて判断することが重要です。



FAQ|栄養コンシェルジュ®講座



Q6.栄養コンシェルジュ®は、どのような人に向いている資格ですか?



栄養を「知識」ではなく「実践」に活かしたい人に向いている資格です。



管理栄養士やトレーナー、医療・介護・保育・教育関係者だけでなく、自分や家族の健康づくりに活かしたい一般の方まで幅広く受講しています。対象者に合わせて栄養を提案する力を身につけられることが特徴です。



Q7.栄養コンシェルジュ®は、他の民間栄養資格と何が違いますか?



最大の違いは、「身体の仕組み」を軸に栄養を考えることです。



特定の食品や食事法を覚えるのではなく、消化吸収、代謝、ホルモン、身体組成などを体系的に学び、「なぜこの食品が必要なのか」を論理的に説明できる力を養います。知識量よりも、現場で使える実践力を重視している点が大きな特徴です。



Q8.食品カテゴリーマップ®を学ぶメリットは何ですか?



食品を「良い・悪い」で判断せず、目的に応じて選べるようになります。



食品カテゴリーマップ®は、2,000種類を超える食品を主な成分や役割から7つのカテゴリーに整理した、栄養コンシェルジュ®独自の実践ツールです。複雑な栄養学を分かりやすく整理できるため、現場での説明や食事提案にすぐ活用できます。



Q9.栄養学を学んだことがない初心者でも理解できますか?



はい。基礎から段階的に学べるため、初心者でも安心して受講できます。



専門用語を暗記する講座ではなく、「身体の中で何が起きているのか」を理解しながら学ぶカリキュラムになっています。そのため、初学者はもちろん、管理栄養士などの有資格者が知識を整理し直す目的でも多く受講しています。



Q10.AIで栄養情報が調べられる時代でも、栄養資格を学ぶ価値はありますか?



あります。AIは情報を示せますが、その情報を人に合わせて活用することはできません。



例えば、同じ「うなぎ」という食品でも、アスリート、高齢者、減量中の方では提案が異なります。栄養コンシェルジュ®では、根拠を理解したうえで対象者ごとに最適な栄養戦略を考える力を養います。AI時代だからこそ、「情報を知る力」ではなく、「情報を使いこなす力」が専門家には求められています。



一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会



「栄養で人と未来を輝かせる」を理念に、科学的・医学的根拠に基づいた栄養知識の普及と、現場で活用できる実践的スキルを持つ人材の育成に取り組むヘルスケア教育機関です。 また、医療・運動・心理・生活科学など多分野の知見を統合し、本質的な健康支援を実現するための「栄養哲学」の研究にも取り組んでいます。 認定資格「栄養コンシェルジュ®」は、医療従事者やアスリートなど多分野の専門家が監修した信頼性の高い栄養学資格で、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムを提供しています。 さらに資格取得後も、最新の研究情報の共有や学習機会の提供を通じて継続的な学びを支援し、資格取得者の生涯学習と専門性向上をサポートしています。