【栄養コンシェルジュ 新着情報】「睡眠障害」が診療科名に追加へ 日本人の睡眠問題を科学的に考える

2026年3月7日

厚生労働省は、不眠症などの睡眠に関する病気を示す「睡眠障害」について、医療機関が掲げる診療科名として追加できるよう制度を見直す方針を示しました。



制度が改正されれば、医療機関では



・睡眠障害内科



・精神科(睡眠障害)



といった形で診療科名を表示できるようになる可能性があります。



今回の見直しの背景には、日本社会における睡眠問題の増加があります。



厚生労働省の調査では、日本人の約5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えているとされています。



日本人はなぜ「世界一眠らない」と言われるのか



国際比較でも、日本人の睡眠時間の短さはよく知られています。OECDの統計では、日本人の平均睡眠時間は加盟国の中でも最短レベルと報告されています。



その背景として指摘されているのが、



・長時間労働



・長い通勤時間



・夜間のスマートフォン利用



・24時間型の生活環境



などの社会的要因です。



こうした生活環境が重なることで、慢性的な睡眠不足が生じやすいと考えられています。



睡眠不足は体重にも影響する可能性がある



睡眠は単なる休息ではありません。身体の代謝やホルモン分泌とも密接に関係しています。



研究では、睡眠不足になると



・食欲を抑えるホルモン レプチン が減少



・食欲を高めるホルモン グレリン が増加



することが報告されています。



この変化により、睡眠不足は 食欲の増加 → エネルギー摂取量増加 と関連する可能性があります。



ただし、肥満は



・食事内容



・運動量



・遺伝



・生活習慣



など複数の要因が関与するため、睡眠だけで説明できるものではありません。



睡眠ホルモン「メラトニン」と栄養



睡眠のリズムを調整するホルモンとして知られるのがメラトニンです。



メラトニンは体内でトリプトファン → セロトニン → メラトニンという経路で合成されます。



トリプトファンは必須アミノ酸であり、食事から摂取されます。



例えば、



・大豆製品



・乳製品



・魚



・肉類



・ナッツ類



などに含まれています。ただし、特定の食品を摂取するだけで睡眠障害が改善するという明確な医学的証拠は、現時点では十分ではありません。



睡眠改善には規則的な生活リズム、適切な光環境、運動習慣、食事タイミングなど、生活習慣全体の調整が重要とされています。



健康ニュースをどう読み解くか



睡眠は、栄養、代謝、メンタルヘルス、生活習慣病など、多くの健康問題と関係しています。



しかし現代では、SNSやインターネットを通じて健康情報があふれており、科学的根拠が曖昧な情報も少なくありません。



そのため健康の専門家には、ニュースや研究を科学的根拠に基づいて理解し、社会に伝える力が求められています。



栄養コンシェルジュが重視する学び



栄養学の資格「栄養コンシェルジュ」では、流行の健康法だけではなく、栄養学の原理原則を体系的に学びます。



そのため受講者は、



・健康ニュースを科学的に理解する力



・栄養と生理学を結びつけて考える力



・個人に合わせた栄養アドバイス



を身につけることができます。



睡眠、栄養、代謝。これらはすべて人間の生理学という共通の基盤の上にあります。その仕組みを理解することが、健康指導の専門家としての第一歩になります。



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参考情報



厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023



OECD:Time Use Statistics



Spiegel K et al. Sleep loss: a novel risk factor for insulin resistance and type 2 diabetes.

Journal of Applied Physiology. 2005.



Cappuccio FP et al. Sleep duration and all-cause mortality: systematic review and meta-analysis.

Sleep. 2010.